交通事故による膝の痛みについて
2025年10月31日
交通事故による膝の痛みについて
交通事故は予期せぬ衝撃で身体にさまざまな損傷を与えますが、その中でも「膝の痛み」は非常に多く見られる症状のひとつです。
膝は人体の中でも特に負担の大きい関節であり、体重を支え、歩行や階段の上り下り、立ち座りなど日常生活のほとんどの動作に関わっています。
事故による衝撃で膝を痛めると、軽度の打撲から靭帯断裂、半月板損傷、さらには骨折まで多様な症状が現れる可能性があります。また、初期には痛みが軽くても、時間が経過してから腫れや不安定感、水がたまるなどの症状が出てくることも多く、放置すれば将来的に変形性膝関節症などの後遺症につながる危険もあります。
本記事では、交通事故で膝を痛める原因や症状、後遺症のリスク、事故後の注意点、整骨院でできる治療やセルフケア、リハビリ方法、再発予防策まで詳しく解説します。
事故後に膝の痛みで悩まされている方が正しい知識を持ち、適切な治療を受けるための参考にしてください。
膝を痛めるケース
交通事故で膝を負傷するケースは多岐にわたります。その典型的な例のひとつが「ダッシュボード損傷」です。これは車の正面衝突の際に、座席に座っていた人の膝がダッシュボードに強く打ちつけられて起こる損傷で、特に後十字靭帯(PCL)損傷が多く見られます。膝蓋骨(お皿の骨)の骨折や半月板損傷を伴うこともあり、衝撃が大きければ複数の組織が同時に損傷する重症例となります。
後方からの追突事故の場合、シートベルトで上半身は固定されても下半身は前方へ移動するため、膝にねじれや過伸展のストレスが加わります。この結果、内側側副靭帯(MCL)や外側側副靭帯(LCL)が伸ばされ、膝の横方向の安定性が失われます。事故直後には軽度の違和感しか感じないこともありますが、数日後に歩行時のぐらつきや痛みが出てくるケースが多いのが特徴です。
また、バイクや自転車の事故では膝を直接路面に打ちつけることが多く、擦過傷や打撲だけでなく、関節内部の骨や軟骨が損傷することもあります。特に軟骨損傷はレントゲンに写らないため見逃されやすく、長期的な痛みや腫れ、最悪の場合は変形性膝関節症へとつながるリスクがあります。
受傷時の姿勢も重要です。例えば強くブレーキを踏んでいた場合、太ももの前面の筋肉である大腿四頭筋が収縮して膝関節が固定され、衝撃が靭帯や半月板に集中します。一方、膝が曲がったリラックス状態では力が分散する反面、関節周囲の筋肉や靭帯に損傷が及びやすくなります。
このように交通事故での膝の損傷は「直接的な衝撃」「ねじれや過伸展」が特に多く、バイク事故に至っては「転倒による打撃」など多様な要因によって起こります。外傷が軽く見えても内部に大きな損傷が隠れている場合が多いため、事故直後には必ず医療機関や整骨院での検査と処置を受けることが大切です。
考えられる症状
交通事故で膝を負傷した際に現れる症状は幅広くあります。代表的なものは膝蓋骨骨折です。これは膝前面を強く打ちつけた際に起こりやすく、膝を伸ばせなくなったり、立ち上がり動作が困難になるのが特徴です。手術を必要とする場合も少なくありません。
次に多いのが靭帯損傷です。前十字靭帯(ACL)の損傷では膝崩れ感があり、走る・方向転換をする・階段を下りるといった動作で力が抜けるような感覚が生じます。後十字靭帯(PCL)損傷はダッシュボード損傷と言われる、助手席に座っていた人の膝をダッシュボードに強打した際の症状で起こりやすく、持続する膝の痛みと不安定感を伴います。内外の側副靭帯が損傷すると、膝の横揺れが強まり、歩行や立位保持が困難になることもあります。
半月板損傷では「引っかかり感」「膝が伸びきらない」「動かすと痛む」などの症状が現れます。関節内に水がたまる関節水腫を伴うことも多く、慢性化すると日常生活が困難になるほどに大きな支障をきたします。
打撲や骨挫傷の場合、レントゲンで異常がなくても強い痛みや腫れ、熱感が長期間続くことがあります。これらは軟部組織の炎症が原因であり、早期に治療を開始することで慢性化を防げます。
事故直後は興奮状態やアドレナリンの影響で痛みを感じにくいことがありますが、数日後に症状が悪化するケースが多いため、少しでも違和感がある場合は早急に受診することが重要です。
膝の痛みに伴う後遺症のリスク
交通事故による膝の損傷を適切に治療しなかった場合、後遺症が残る可能性は高くなります。特に靭帯損傷や半月板損傷は膝関節の安定性を損なうため、放置すると軟骨の摩耗が進み、数年後に変形性膝関節症へ移行するリスクがあります。
また、事故後に繰り返し膝に水がたまる関節水腫を経験する人もいます。これは関節内の炎症が長期化しているサインであり、慢性膝痛の大きな原因です。
半月板損傷を放置すると、膝を動かしたときに「ロッキング」と呼ばれる引っかかり現象が生じ、突然膝が動かなくなることもあります。これは仕事やスポーツ活動だけでなく、日常生活にも深刻な影響を与えます。
さらに膝の慢性的な不安定性は筋力低下を招き、膝以外の部位、例えば腰や股関節にも負担をかけて二次的な障害を引き起こすことがあります。事故から時間が経過しても膝が安定しない、違和感が続くといった場合は、後遺症に移行している可能性を疑う必要があります。
事故後に注意すること
事故後は痛みが軽度でも必ず受診することが最も大切です。レントゲンで異常がなくても、MRIやエコー検査で靭帯や半月板の損傷が発見されることは多々あります。早期に発見できれば保存療法で回復が期待できますが、放置すると症状が悪化し、手術が必要になることもあります。
また、事故後は安静を保つことが重要です。無理に動かすと炎症が悪化し、水腫やさらなる損傷につながります。必要に応じてサポーターやテーピングで膝を固定し、安静と保護を徹底することが回復を早めます。
氷でのアイシングや患部の挙上も有効です。痛みや腫れを抑えることで二次的な損傷を防ぐことができます。事故直後から正しいケアを行うことで、後遺症のリスクを大きく減らせます。
整骨院でできる治療内容
整骨院では手技療法や電気療法、温熱療法を用いて膝周囲の筋肉を緩め、炎症を抑えます。また、関節の可動域を改善するためのストレッチや調整も行い、膝の安定性を高めます。
さらに損傷部位をかばうことでアンバランスになった筋肉を調整し、歩行や動作をスムーズに戻すためのリハビリも進められます。事故直後から慢性期まで、回復段階に応じた施術が可能であり、整形外科と併用することでより効果的な治療が期待できます。
日常生活でのセルフケア
膝を守るためには、日常でのセルフケアも欠かせません。腫れや熱感がある場合はアイシングを行い、慢性期には温めて血流を改善することが効果的です。軽いストレッチや膝周囲の筋トレ(大腿四頭筋やハムストリング強化)を行うことで、膝の安定性を高め再発を予防できます。
また、体重管理も重要です。膝には体重の数倍の負担がかかるため、適正体重を維持することが膝への負担軽減につながります。
リハビリと再発予防
膝の安定性を取り戻すためには、大腿四頭筋やハムストリング、臀筋の筋力強化が必須です。段階的な筋トレにより膝関節を支える力を高め、再発予防につながります。
また、柔軟性を高めることで可動域が改善し、再び怪我をするリスクを減らせます。整骨院でのリハビリと並行して、自宅での運動を継続することが回復を早めます。
ろっぽんぎ整骨院でのサポート
ろっぽんぎ整骨院では、事故直後の応急処置から慢性期のリハビリまで一貫して対応しています。症状に応じた施術に加え、日常生活での注意点や運動指導も行い、患者一人ひとりに合わせた施術プランを提供させ提供させてもらいます。
また、自賠責保険を用いた施術や書類作成のサポートも行っており、安心して治療に専念できる環境を整えています。







